2015年12月 プノンペン事務所 中島朝子

プノンペンのクリスマス

 2015 年も残すところ数週間、カウントダウンが始まりました。 皆さま、クリスマスや年 末年始を目前に控え、慌ただしい日々をお過ごしではないでしょうか? 4 月にクメール正 月を迎えるカンボジアでは、この時期に慌ただしさを感じることはありませんが、 プノン ペンではクリスマスの装飾を施すお店が多いため、クリスマス雰囲気が街中に広がってい ます。 仏教国のカンボジアですが、外国人の多いプノンペン市内では行く先々でクリスマスの装 飾を見かけます。 若者を中心に、日本のようにクリスマスをお祝いする習慣が都市部で根 付いてきているようです。 ASAC のカンボジアスタッフの話によると、クリスマスには、 ケーキを食べたりパーティーを開いたりして、 家族や友人と過ごす人も多くなってきてい るそうで(ベーカリー屋さんには、もうクリスマスケーキが並んでいました!)、 プレゼン ト交換をすることもあるそうです。 ただ、残念ながら子どもたちのもとにやってくるサン タクロースは、(特に田舎では)ほとんどいないようです。 コンポンスプー州出身のスタッ フは中学生の時に読んだ本を通じて、初めてサンタクロースの存在を知ったと話していま した。 つの日か、カンボジアのすべての子どもたちが退学することなく教育を受けるこ とができ、 最低限の生活が保障され、夢をもって毎日笑顔で過ごせるようなプレゼントが、 この国の発展のために尽力し、 支援なさっているすべての「サンタさん」から子どもたち に届けられることでしょう。 皆さま、メリークリスマス&良いお年をお迎え下さい。

プノンペンの クリスマスの装い

3州5校舎対象 図書支援

 2015年11月18日から3日間かけて、コンポンスプー州、シアヌークビル州、 カン ポット州の3州にある ASAC 支援校5小学校に、柏市民公益活動促進基金と末吉様からの ご支援の下、 合計1742冊の本と12架の本棚を寄贈してきました。 訪問時には、本の 設置だけではなく、児童に本を大切にしてもらい、親しんでもらうために、 本のカバー掛 けや読み聞かせも行いました。今後、読書の時間を設けてくれるという学校も多く、 これから、寄贈された本が児童のより豊かな未来の開拓のために、大いに活用されていくだろ うと感じました。



■1 日目(11 月 18 日)
1)トマイ小学校(1995 年住友商事&1996 年セカンドハンド寄贈)
コンポンスプー州にあるトマイ校には校舎の一室に図書室がありますが、蔵書 数は約 200 冊と児童数に比べると少なく、 本の種類も不足していました。 358 冊 の本を寄贈すると、図書室の本棚は本でびっしり。 トマイ校では、毎日読書の時 間が設けられているため、寄贈図書は毎日子どもたちの手に届きます。



寄贈図書が並ぶ図書 6 年生と図書館員の先生と記念撮影


2)ピクニル小学校(1998 年安井様寄贈)
コンポンスプー州にあるピクニル小学校は韓国のロータリークラブの支援に よって図書室が完成していました。 引渡しの時期は未定で、図書や本棚の寄贈に ついても未定だそうです。 そのため、寄贈図書と本棚は教員室に設置。 一足早く プチ図書室をオープンさせました。



6 年生と寄贈図書 本カバー掛けのワークショップ中


■2 日目(11 月 19 日)
3)アンロンクメンレイ小学校 (2006 年ジャパン・ヨガ・カレッジ寄贈) 支援当時はココン州でしたが、現在はカンポット州に位置しています。 2006 年に他団体から寄贈された中学校用の校舎が使用されていないため、 図書室としての利用許可願いを教育省に出しましたが、児童数と教師数が少ないため、 許可されませんでした。たった20 冊程度の本しかなかった小学校に、173 種類、合 計 346 冊の新しい本が届きました。

寄贈図書を読む児童たち 6 年生徒と寄贈図書


4)ナルキバンレアン小学校(2009 年山崎様寄贈) 1 校舎 3 教室しかないバンレアン小学校では、図書室はおろか、 本も数十冊しか ありませんでした。寄贈図書は 5 年生と 6 年生が使用する一教室に置かれ、今後 は読書時間を設け、 天気の良い日は青空図書館を開きたいと校長先生は話されていました。

6 年生と寄贈図書 寄贈図書を読む児童たち


■3 日目(11 月 20 日)
5)コッスノー小学校(2009 年ドトールコーヒー寄贈) 2015-2016 年度から新しい校長先生が赴任しました。 バンレアン小学校同様、こ れまで図書室もなく、蔵書数も数十冊であったため、 児童たちは本を身近に感じることができませんでした。 多くの本を寄贈してもらえたので、これからは読書 時間を作るように計画すると校長先生が約束してくれました
寄贈図書を読む児童たち 6 年生徒と寄贈図書

養豚支援事業始動

神宮様からの支援金にて、第 3 回目の養豚事業が始動しました。事業対象地はカンポット州にあるギャレット モーガン キリプラサット小学校のある村です。 この村は約 212 世帯 850 人(6 月現在)が生活していますが、無電化地域で貧しい村です。 村民の多くは 農業に携わっていますが、本養豚支援を機に約 45 世帯が養豚にも従事し利益を得ていま す。 第 3 回目の支援は、村長とギャレット モーガン キリプラサット小学校の校長先生に よって選ばれた合計 24 名の村人に子豚を 1 匹ずつ提供し、 3 ヶ月かけて育て上げた後、購 買意欲が高まるクメール正月前(4 月)に販売して利益を得る計画です。 今回は、豚を販 売して得た利益の 5%〜10%をキリプラサット小学校に寄付し、小学校から要望のあった 図書購入費に充てる予定で、 村の更なる発展に寄与していきます。 12 月 15 日、いよいよ子豚が村にやってきます!

村の様子 養豚を希望する村民
2013 年養豚成功者、現在も養豚を行っている 現在養豚を行っている村人

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