理事長 山田哲平
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昨年の初めに前理事長の渡辺さんが亡くなって以来、理事長をお引き受けしたものの、名ばかりの理事長でASACに対して何の貢献もできなかったことに対して、大変心苦しい日々を過ごしてきました。
今年三月で、やっと、退職を迎え、今後は、多少なりとも、活動に参加させていただくことができるようになりました。
昨年度は、前理事長の成果として、トゥールべイン小学校の建設とその贈呈式を迎えることができ、また6ケ月の識字事業を行うことができました。これも皆様のご支援のお蔭であると、感謝申し上げます。
識字事業に関しては、現地の農村の方々の要望に強いものがあり、カンボジア社会を考えるとき、今後もその重要性はますます高まることと考えています。実際、車の通ることのできない、 電気も水道もない、
奥地の村の住人までが 鉄塔を建てることだけで、 携帯を所有することができ、 さらにそれが次第にスマートフォンに代わっていく現在、 非識字者と識字者との社会的な分断が、
今後カンボジアのような発展途上国の間で深刻な問題を引き起こすだろうことが十分に予想されます。
サイバー空間が、現実空間と同等の、いやそれ以上の 重要性を持つ、現代の時代、そこから発展途上国の、とりわけ女性が そうした空間から排除され、
社会の構成員から排除されるようなことは 何としても避けたいというのがASACの活動の中心的な課題の一つであります。
もともとこの会は、女性である故岡村眞理子さんによって設立され、カンボジアの農村の惨状を目の当たりにして、 学校を建てることを目的としておりましたが、
いまや、箱ものという目に見えるハードウェア事業よりも カンボジアの実際の人々に対して、直接的に自立を促す、 目には見えないソフトウェアの識字教育の方が、はるかに重要な課題であり、
その意義は今後もますますその重要性を増していくと考えております。
皆様、なにとぞ識字教育への、ご支援のほどをよろしくお願い申し上げます。
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