プノンペン事務所 大工原由香


スースタイ!(こんにちは)
雨季も後半に入り、雨が降ったり降らなかったりという日々が続いています。
今回はここ2ヶ月の間に全コマツ労働組合連合会様の書き損じハガキのご寄付で行なった4校の図書支援の紹介をさせていただきます。

8月下旬にタケオ州に初めて図書支援を行ないました。
タケオ州キリボン郡タオ地区のクライントルモウン村にあるクライントルモウン小学校は2002年にASACによって1棟5部屋の教室が建設され、トイレも他のNGOによって建設されており、大きな破損や痛みは特にない状態でした。今回沢山の生徒たちが新しい本のカバー掛けをASACスタッフから教えてもらい真剣にやっていました。この学校は校長先生が女性でした。

次に訪問したオットムポーウ小学校は午後ですでに生徒たちが帰ってしまった後でしたが、校長先生が丁寧に対応して下さいました。本の支援はほとんど最近なかったので大変嬉しいといわれました。

今月半ばにカンポット州にあります2校を訪問しました。学校が休みの時期なため、近所の子供たち(生徒も含む)がぱらぱらと校内にいました。
まず訪問したのは、マックプリン小学校で、生徒の90%がモスリムのチャム族です。今回は学校が休暇中でも近所の子供たち(生徒も含む)が学校に集まってきました。モスリムが多い地区と感じたのは学校の隣がモスクだったことです。川沿いで漁業をいとなむ典型的なモスリム地区でした。
次に訪問したのがウドンミンチエ小中学校。ここは中学校も併設しているせいか男性の先生方が多く、毎回とても丁寧に対応して下さいます。今回ASACが閉会することをとても残念がっていました。最後ということなので、先生方と一緒に食事をすることができました。最後の思い出ですね。



=品川女子学院より白板と清掃用具の寄贈=

8月23日に品川女子学院様からの寄付による白板 3台と清掃用具をコーク・スラロウ小学校に寄贈をしてまいりましたので、ご報告させていただきます。 当日は天候は良かったのですが、雨季のため連日雨が降り舗装されていない田舎の 道はご覧の通り。やっとの思いで学校にたどり着き白板の交換をしました。


学校の校門から校庭も水浸し

白板の交換を興味深そうに見ている生徒達


=清掃用具寄贈による衛生指導=

トイレ掃除は上級生が数名ボランティアで ASACスタッフ指導の下に実践しました。
トイレのある家庭はほとんどなく、普段やり慣れないことを習慣化するのは大変なようです。 衛生面ではトイレに限らず、校内いたるところ にごみが散らかっており、きちんと片付ける習慣がないので雨季には水に浸って腐食して悪臭 が漂っていることが多々あり病気になるのでは ないかと気になります。燃えるものは燃やし、プラスティックなどは売れるので集めて売却するとは聞いておりますが。たまにごみの回収も あるとか。少なくとも今回のトイレ掃除用具 ドナープレート健在 学校のトイレをきれいに保つことができ、生徒 たちがものをきれいにすることが病気に繋がらないことを学んでくれることを望んでいます。


トイレの水を汲む生徒達

トイレに水を溜めておく


=文具寄贈の報告=

今年の春に品川女子学院から沢山の文房具を船便でコーク・スラロウ小学校に寄贈されました。その時の鉛筆がまだ事務所に残っておりました。ASACスタッフのカニタから 「故郷の恵まれない子供たちに鉛筆をあげたい。」との要望があり、カンダール州の ケーンスベイ郡ポへイプ村の貧しくて学校に行けない子供たちに鉛筆と文具を贈ることができました。


ノートと鉛筆を持って

ノートと鉛筆を配るスタッフ


=これまで行った識字事業について=

1995年に第一回の識字教室を開催し、2017年までに22回の事業を行ないました。
開催地はカンポット州、コンポンチャム州、コンポンスプー州の3州で、参加生徒数合計は5,374名、試験合格者の合計は4,652名、でした。コースは6か月間で、授業時間は月曜から土曜までの週6日、仕事の終わった夕方6時から2時間行いました。

教室開催前に識字教師の育成を行い、成人の非識字者に対して教授する方法を指導しました。
コース開始時に、参加した生徒全員にテキスト、文具を配布し、学習を継続し試験に合格した生徒に修了証書を授与し、修了時に、各生徒が希望する講読本を配布しました。

基本的な読み書き計算が出来るようになった時に、家計簿と日誌からなる「生活日誌」を作成し、生徒に配布し、その記載方法を指導しました。それによって生徒は家計の管理が出来るようになりました。

識字教室に参加する以前は読み書き計算が出来なかった生徒たちは、コース終了時にそれらができるようになり「初めての手紙」を書き、提出しました。クメール語版は印刷して全生徒に配布しました。修了時に、生徒が希望する講読本を配布しました。
「初めての手紙」には、事業によって得られたことに関する感謝の意が記載されました。
一部を紹介いたします。

(初めての手紙)
日本の組織ASAC様、私たちの村に教師を派遣し、電燈、教材を提供してくれたことに心から感謝しています。以前私は読み書きが出来ませんでした、でも今はそれらができるようになりとても幸せに感じています。ですからこれからも学習を続けたいと思っています。

私はASACと共に6カ月間学習ができてとても嬉しく思っています。私は計算が出来るようになり、下痢を引き起こす原因が分かりました。治療法も分かりました。トイレを使用しない排便は病気を引き起こすということが分かりました。

夏、水不足は農作物の生育にとって重要な問題です。あまり水を必要としない農作物を選ばないといけません。私に6か月間の学ぶ機会を与えてくれた支援者に感謝いたします。教室で学んだ後、私は農作物の栽培方法を知ることが出来ました。

多額のお金を使いたくないので家庭で出産する女性がいます。ですが、危険を避ける為全ての女性は病院出産すべきです。私に6カ月間学ぶ機会を与えてくれたASACに心から感謝しています。


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